CDA-1000 導入事例インタビュー(株式会社ユーグレナ様)
CDA-1000導入により日々の測定精度と効率が向上
ミドリムシカンパニー euglena
株式会社ユーグレナ様

~CDA-1000導入により日々の測定精度と効率が向上~

【1】ミドリムシ∞カンパニー 株式会社ユーグレナ

まずは株式会社ユーグレナの研究内容についてお教えいただけますでしょうか?
東京大学アントレプレナープラザに研究室を構えユーグレナ(和名:ミドリムシ)を中心とした微細藻類の培養技術を軸に、食品、化粧品、飼料、燃料など、様々な分野の産業展開へ向けた研究開発を行っています。

特にバイオ燃料を作る過程において、ユーグレナをいかに短時間で、小さい面積で、多く増やすことが出来るかが重要な課題となります。
単位面積あたりの増殖速度をいかに向上できるか、低コストで大量に培養すること、ここに注力をして研究をしています。
研究所内に設置、使用されているCDA-1000

【2】なぜCDA-1000だったのか?

CDA-1000導入のきっかけをお教えいただけますでしょうか?
ユーグレナの増殖の研究でのことですが、研究の経過をユーグレナの重量で見ていたので、増細胞数が2倍に増えたのか、1つの細胞の大きさが2倍に増えたのかがわかりませんでした。
そんな時、同じ研究をしている慶応大学の伊藤卓朗先生からCDA-1000を紹介いただきました。

伊藤先生は実際にCDA-1000を使ってユーグレナを測定しており、また伊藤先生の研究室に訪問の際、実際にCDA-1000を利用させて頂いたこともあり、自社の研究に使用できるとの確証もあり、CDA-1000を導入することになりました。

また、CDA-1000導入以前は顕微鏡で実際にユーグレナを見てカウンターを使って数えることもしてましたが、まずその大きさの違いがわからない、数も数える人によって差が出てしまうため、正確にかつ素早く測定する必要に迫られてました。

1日に複数回の測定を行う場合、アナログな測定では時間ばかりかかってしまい、かつ誤差が生じてしまっては限られたリソースでは対応しきれなくなってしまうというのもあります。

また、伊藤先生の研究室が同じ機械(CDA-1000)を使っているのでお互いのデータ比較が直接できるのもメリットですね。

【3】藻類などから作り出す次世代の燃料「バイオ燃料」

バイオ燃料(ジェット燃料)の研究についてお教えいただけますでしょうか?
EUには温暖化ガスの排出規制があり、バイオジェット燃料が必要とされています。そして、日本の航空会社もEUの基準に則るよう例外なく努力しなければなりません。

現在、弊社の持つユーグレナの培養ノウハウをもって、さまざまな研究機関、企業と共同でプロジェクトを推進しています。
巨大な培養設備とコントロールシステムを持つ株式会社日立プラントテクノロジー様や、ユーグレナから油を抽出し燃料へ精製するJX日鉱日石エネルギー株式会社様などが共同研究パートナーです。

また、航空会社各社からも製造したバイオジェット燃料の供給に関する研究の要望をいただいております。

【4】 「Euglena as Food Feed Fuel」

御社の企業理念についてお教えいただけますでしょうか?
ユーグレナ(ミドリムシ)を利用した栄養補助食品やクッキーといった一般食品の多彩なラインナップ。
御社の企業理念についてお教えいただけますでしょうか?
当社はユーグレナで、食料の生産と、燃料の生産を通じた人と地球を健康にする活動を進めていきたいと思っています。

ユーグレナというのは光合成をして自ら動き、植物と動物の両方の性質を持っています。
生物は循環サイクルとして大きく三つに分けられます。
ひとつは、光合成などによって有機物を作る生産者です。そして、動物性のプランクトンから動物まで、物を食べる消費者。その排泄物や死骸を分解する分解者が三つ目。

このサイクルがグルグルと回っています。 実際、燃料というのは有機物が分解者に分解される前に貯金のように土に埋まって燃料として蓄えられたもので、5億年以上という長い年月をかけて溜まってきたものを今は、人がどんどん掘り出して使ってしまっており、備蓄されているものが無くなってくるというオイルピークという言葉で一部危機感をもって物事を捉えている人もいます。

当社としては物質循環を地上で効率良く行うことができれば、燃料の生産も、地下から無駄に資源などを掘り出さずにサイクルを生むことができるのではないかと考えています。


ユーグレナの特徴を生かして生産者として食品、燃料の生産や将来的には繊維など含めて地上で炭素循環型社会を築いていきたいと思っています。
どれだけのスピードで出来るかわからないがまずは食品としての事業を展開して、さらに燃料など展開していく予定です。
まさに、物質の循環のサイクルを徐々に大きくしていこうと考え、日々研究に取り組んでいます。

インタビューを終えて(シスメックス担当者コメント)

日々の研究で大変ご多忙の中、インタビューに快諾いただきまして誠にありがとうございました。
しかも当日は、研究部長様、研究員の方々、広報ご担当者様にまでご対応いただき大変恐縮いたしました。

お話をお伺いして一番心に残っていることは「燃料というのは有機物が分解者に分解される前に土に埋まって燃料として蓄えられたもの。これは貯金で5億年以上という長い年月をかけて溜まってきたものを今は人がどんどん掘り出して使ってしまっている。
このままではいつか尽きる時が来るのでは?ならば自分たちで食料や燃料を地上で完結できるサイクルを考えよう」という一説でした。

毎日何気なく使う燃料。
未来に向けて若く、高い知識のある方々が一分一秒をも大切にして研究される姿を拝見し、弊社も地球上の一企業として、何か少しでもお力になれたらと考える次第です。

ミドリムシカンパニー euglena 【株式会社ユーグレナ様 プロフィール】
代表取締役 出雲 充
設立 2005年8月9日
所在地 〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1 東京大学本郷キャンパス内
東京大学アントレプレナープラザ 7階
事業内容 1.ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の研究開発・生産管理・品質管理・販売
2.ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の宇宙・環境ビジネスへの応用
3.バイオテクノロジー関連ビジネスの事業開発・投資等
企業ホームページ http://www.euglena.jp/
ミドリムシSHOP http://mmshop.jp/
石垣産ユーグレナ
専門通販サイト
http://www.euglena-farm.jp/
「アナログな測定の時は目も痛くなり、腱鞘炎にもなりかけましたね(笑)」とインタビューにお答えいただいた取締役研究開発部長 鈴木健吾 様 (左)と研究開発部 丸川 祐佳 様(右)
製品に関するお問い合わせ
製品に関するご不明な点やお見積りなどお気軽にお問い合わせ下さい。

PAGETOP

関連サービスリンク

  • 研究用フローサイトと理化学分析

Copyright © 2011 SYSMEX CORPORATION, All Rights Reserved.